これからの社会には、国連が提唱するように、2030年までに持続可能な生活環境を作ることが世界中で求められている(SDGs)。自分で食べるモノを自分で作るということは、持続可能な生活環境を構築する上で、最も基本的な施策かもしれない。そう考えると、自分で農業をしてしまうというのも当てはまる。
豊かな自然を維持しながら食糧を生産するにはどうすべきかということは、大変大きな問題である。農業では、農薬の大量使用が課題であり、これは自然の破壊の一端を担う。また、農薬の大量使用がもたらす健康被害も切実な問題として取り上げられてから、すでに久しい。

淡路島では、若い人たちによって、”タネノチカラ”や”ビオアグリ”と名付けられた循環型農業を耕作放棄地で行うベンチャービジネスがスタートしている。
ここでは、広い耕作放棄地をいくつかに区切って、仲間を募って話し合いながら、農薬や更には肥料も使用せず野菜などを育てている。まさに土の恵みを体感できる。さらに農作業や仲間の集いの場所として、すべてを土で作ったアースバックハウスと呼ばれるパーマカルチャーの建屋なども完成している。
農薬や肥料を使用せずに耕作地に変えていこうという循環農業が具体的な形をとり、未来を見据えて始められている。とても意欲的な試みである。