日本の古代から中世にかけて、朝廷に食を献上する地域は、御食(みけつ)の国と呼ばれており豊かな食の生産地であった。伊勢志摩の国、若狭の国、淡路の国がそれ当たり、それぞれの特徴が日本書記や延喜式に記されている。淡路島は、やノリなど海の産物が特徴として挙げられている。また、古代には海人族と呼ばれる人々が住み、海水から塩を作っていたことが、貴船神社の遺跡から明らかになっており、製塩業はその後江戸時代まで続いた。

山には鹿やイノシシなどがおり、天皇が狩りをしたとの言い伝えがあり、山の獣肉、特にイノシシは、今も食されている。

これに加えて島の中部にある御井の井戸の水も毎日海を越えて南大阪に住まわれた大王(朝廷)に献上されていたという。淡路島の水は、花崗岩を多く含む北部の山でろ過され、天然のミネラルが豊富で味わいもよかったのではないかと拝察される。