淡路島は、国生みの地として知名度があり、国生み・神生みを行ったとされるイザナギの尊を祀る伊弉諾神宮は最古の神社の一つである。こうした神話に関わる地が淡路島内に点在している。左図は、明治時代に画家小林永濯により描かれたイザナギとイザナミの尊の絵である。
また、淡路島の南部には、弥生時代の水田跡もあり、弥生時代後期の鏡や鉾などの青銅器も多数発見されている。弥生時代後期の鉄の生産場所として、五斗長垣内(ゴッサカイト)遺跡があり、国指定の史跡が存在している。奈良時代には、政争で京を追われた淳仁天皇が淡路島に都落ちしている。さらに、早良親王(桓武天皇・弟)をめぐる悲劇の舞台の一つにもなっている。こうした幾多の歴史的な物語に淡路島は登場するので、日本の歴史を紐解く上で淡路島はとても興味をそそられる所である。

歴史に因んだ祭りと芸能もたくさん残っている。3月には伊弉諾神宮の例大祭が催され、多数の檀尻が登場し、日本に一つしかない檀尻歌が歌われる。 歴史に因んだ芸能として、淡路浄瑠璃は、江戸時代から明治時代にかけて最盛期であったが、時代が進むにつれ次第に衰退していった。今は、保存会によって復興がなされ、神事色と芸能色を併せ持つ日本文化を象徴する芸能として注目されている。