淡路島は、瀬戸内気候のため冬でも極端な寒さはなく、年平均気温は15度程度の温暖な地である。島の中央部の山地が西の瀬戸内海と東の大阪湾の防風堤のような役割になっている。西側は播磨灘の風を受け波頭も高いが、東側は、風は山で遮られて、海は通年で静かである。また、神戸と徳島を南北に結ぶ国道28号線も東海岸沿いを走っているため、居住区も東側に集まっている。島の北端と南端は直線距離で約50kmであり、島の外周は200kmほどで海岸線で海を眺めながら気持ちよく通ることができる。島の中央部には高速道路が走っており、本州から四国まで一気通貫に通ることができる。北部が山と海が急な斜面でつながるのと対照的に、南部は島の半分近くが平坦となっている。
古来より農耕が盛んだが、川が少ないため、2万面近くもあるため池が耕作の生命線となっている。島の最も高い山は、南部に座する諭鶴羽山で標高は608mになる。山間部の斜面には棚田が美しく広がり、秋の収穫時には黄金の滝が流れているかのような景色に出会える。山間部にひっそりと家が散在しているのは、淡路島内ではよく見られる風景である。