淡路島が癒しの地であることは、多くの人が認知するところである。この癒しの地には、癒しを科学的に研究する施設がある。淡路島の北部にある兵庫県立大学園芸景観学校である。そのキャンパスは、美しい庭園や園芸場に囲まれた瀟洒な校舎で構成されており、とても印象的かつ癒されるものがある。

同学マネジメント研究科の豊田正博博士たちは、癒しがヒトの大脳皮質の前頭葉にある特別な部分の活性化と関連していることを研究している。美しい緑の光景を目にすると、安らかでストレスフリーな状態になるが、豊田博士は、この状態が脳の部位の血流の増大と相関していることを見出している。また、豊田博士たちは、園芸療法と呼ばれる癒しのための療法も研究している。
これは、園芸の軽い作業を繰り返し行うことで、大脳皮質の前頭葉が活性化され、老人性の痴呆の改善に効果があるというものである。身体の中、特に脳に作用する癒しのメカニズムは、まだ不明な点が多く残されている。豊田博士たちの研究は、癒しを科学的視点に基づいて考える上でとても興味深く、大きな期待が寄せられている。豊田博士たちの元で、より効果的な園芸作業療法が研究され、この作業療法を学んだ人材が、高齢化の進む日本人の生活改善に貢献ができることを切に願いたい。また、淡路島が持つ癒しの効果も、同様の研究で科学的に証明されることができれば、大変素晴らしいことである。

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